[メルマガ] 15万人以上の加入者がリスク資産を組み入れている可能性も

(無署名記事)
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 15万人以上の加入者がリスク資産を組み入れている可能性も
~DC資産運用の実態と投信教育の必要性は
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 DC加入者の運用の実態はどうなっているのでしょうか。一般のニュースを
読んでいる限り、「投資信託などのリスク資産運用に消極的な加入者」という
ネガティブな姿が伝えられることが多いと思われます。しかし、本当にそうな
のでしょうか。
 厚生労働省の確定拠出年金連絡会議に出席したある企業の運用実態が資料中
で示されています。調査時点におけるDC資産全体の商品別の運用配分は以下
のとおりです。
   元本確保型 75%
   投資信託  25%
 これだけを見ると、確かに「資産全体の4分の1程度しかリスク資産での運
用をしていない」ということになり、加入者はいかにも消極的な資産運用を行
っているかのように見えます。企業年金などでは、リスク性のあるアセットク
ラスへ全体の80%以上を資産配分していることも珍しくないことを考えればそ
の違いは鮮明です。
 ところが、加入者個人ごとの実際の運用状況について同じ調査での結果をみ
ると、違った姿が浮かび上がります。
  100%元本確保型で運用している         54%
  1種類の投資信託を組み入れて運用している   16%
  2種類以上の投資信託を組み入れて運用している  22%
  投資信託のみ                  8%
 つまり、「加入者の2分の1弱は、資産の一部にリスク資産を組み入れて運
用している」ということになります。先ほどの数値と比べれば印象は大きく異
なるのではないでしょうか。いくつかのDC導入企業担当者に聞いてみたとこ
ろ、100%元本確保型で運用している加入者の割合は似たような印象だとのこ
とです。
 多くのDC加入者にとって、リスク資産での資産運用は未体験の世界である
ことや、その投資知識や経験を考えればむしろ、これは驚くべき数値ともいえ
るでしょう。自身の年金資産形成にリスク資産を活用することに積極的に関心
を示している加入者像が浮かび上がってきます。そして同時に、自分の投資経
験などを踏まえてリスク許容度を低く設定し、分散投資をはかりながらリスク
低減をはかった運用ができている、という見方もできます。
 多くの加入者は手探りをしながら自分に見合った範囲でリスク商品とつきあ
っているというわけです。もしそうであれば、導入時の投資教育で強調される
「分散投資」「自分の投資知識に応じた投資判断と自己責任」を加入者が理解
している現れであると考えることができます。
 すでにDC加入者が30万人を超えている現在、約半数の15万人程度の国民が
投資信託を自身の老後資産形成の中に組み入れているということになります。
加入企業の属性をみても、DCによって初めて投資信託に投資をした方も多い
と思われます。今後、リスク商品への投資比率が高まっていくためには、景気
の回復はもちろんですが、こうした投資家を育成するための適切な継続教育も
大切であるといえるのではないでしょうか。

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