[メルマガ] まずは一歩動き出したDC制度の改正法案

(無署名記事)
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「まずは一歩動き出したDC制度の改正法案」


   「まずは一歩動き出したDC制度の改正法案」
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 「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正す
る法律案」が4月13日に閣議決定され、内閣から衆議院に提出されました。
 主たる内容は、会社員が加入している厚生年金保険と公務員が加入している
共済年金の一元化ですが、関連法案として、確定拠出年金(DC)に関する改
正内容も含まれています。
 DCに関する主な項目は、(1)中途脱退要件の緩和、(2)60歳以降の企
業型DCの適用、(3)運用商品の除外要件の緩和、となった模様です。
(1)中途脱退要件の緩和
   限定的な条件の追加にとどまったものの、個人型DCの加入資格者であ
  っても、脱退一時金の受け取りの可能性が広がることになるわけであり、
  一歩前進といえるでしょう。これにより、自動移換が減少することも期待
  できそうです。
(2)60歳以降の企業型DCの適用~60歳から65歳の者にも企業のDC掛金拠
  出が可能に
   65歳まで働ける社会を目指した高齢者雇用に取り組む施策に歩みを揃え
  るものです。拠出年齢を引き上げる企業では、それぞれの企業型DCの規
  約において定めればよく、一律に強制する規定ではないために、各企業の
  実態に応じた利用ができそうです。
(3)運用商品の除外要件の緩和
   これまでは事実上、運用商品の除外が不可能であったことを考えれば、
  大きな進展といえます。商品除外をみだりに頻発させることは、制度運営
  の安定上は望ましいことではありませんが、同一の運用対象、同一の運用
  手法でありながら、信託報酬のみが異なるような商品については、一方を
  除外することにより、商品管理がしやすくなることも考えられます。除外
  にあたっては、労使合意が必要となるほか、規約に定めることが求められ
  ています。
 今国会では、会期が例年より短いことや社会保険庁再編の議論も途上である
ことなどにより、この法案の成立は残念ながらやや厳しい情勢のようです。し
かし、DC制度の改正が一歩動き出したことをまずは喜びたいところです。
 また、今回の法案に盛り込まれた項目だけが、DC改正のすべてというわけ
ではありません。厚生労働省の年金局では、今回の項目については、早期に検
討可能であったものから着手したとしており、今後も継続的に改正が必要な項
目については、検討していく用意があるとしています。同省の企業年金研究会
でも、論点の整理をほぼ終えており、今夏に出される平成20年度税制改正要望
については、さらなる要望項目が提示されるものと期待されます。
 今後の法律改正の動向およびその施行準備、あるいは新たな改正動向につい
ては、ここしばらくは注意が必要のようです。
なお、改正法案は、厚生労働省の以下のページに掲載されています。
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/166.html

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