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[メルマガ]  2005年度のDC展望

(無署名記事)
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 2005年度のDC展望
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 今年も新年度を迎えました。今回は2005年度の確定拠出年金(DC)を取り
巻く環境と展望についていくつかピックアップしてみたいと思います。
●中小企業への普及が進み加入者数は200万人超へ
 DCは本年2月末で1260規約に達しましたが、4月からDCを導入する企業
もかなり多いようです。具体的な加入者増加数が明らかになるのは6月以降と
なりますが、今年度もDCの普及は着々と進むこが予想されます。おそらく年
度内200万人を窺う展開となるのではないでしょうか。
 特に今年度のDC普及の鍵を握るのは、中堅・中小企業です。すでにDC導
入企業の約75%は従業員数300名以下の中小企業となっています。運営管理機関
各社のターゲットも徐々に明確になり、企業経営者の理解や関心も高まってき
ています。
 運営管理機関各社も総合型DCなどのラインナップをそろえ、少しでも導入・
運営にかかる企業の負担を下げるようサービスに工夫をこらしており、中堅・中
小企業のDC導入も進んでいます。各社の商品力、提案力がますます問われる
1年になりそうです。
●10月のポータビリティ拡充に伴う個人型DCの普及
 2005年10月より、企業年金制度間のポータビリティが拡充されます。確定給
付企業年金間および厚生年金基金連合会(10月より企業年金連合会へ改称)へ
の移換がよりスムーズになるほか、移行選択肢として個人型DCが加えられた
点も注目されます。
 厚生年金基金や確定給付企業年金のある企業を中途退職した人の脱退一時金
について個人型DCに資産を移換する道が開かれたことにより、個人型DCの
普及が進む可能性があります。一部の運営管理機関では、すでに10月に向けて
個人型DC対応商品の見直しを進めているようです。
 また、企業型DC加入者が増加するにつれ、離・転職等に伴う個人型DC加
入者の増加も予想されます。ただし、こうした離・転職者への情報提供はまだ
十分とはいえず、退職後半年を経過し、国民年金基金連合会に自動移換されて
しまう件数も増えています。国民年金基金連合会では、商工会議所等の後援を
受けて各地で説明会を開催するなど、制度の普及・啓発活動に取り組んでいま
すが、今後DCプランナー等の実務専門家と運営管理機関や国民年金基金連合
会が連携を図りつつ、離・転職者のサポートをしていく必要性も高まりそうで
す。
●継続教育のニーズの高まりと環境整備の進展
 新聞報道等によれば、DB型企業年金の2004年度運用利回りは、平均して5
%前後を確保した模様です。しかし、DCの加入者がそれに劣らない運用結果
を得られるようにするためには、加入者の継続教育が不可欠といえます。
 2004年度に開催された確定拠出年金連絡会議(事務局:厚生労働省年金局)
では、DC加入者の投資に関する知識の不足が指摘され、継続教育の必要性と
ともにその実施のあり方について議論されてきました。2005年度は企業をはじ
め各所において加入者に対する教育や情報提供の充実が求められますが、公的
な情報インフラの整備とともに商工会議所等中立機関による情報提供や人材育
成(DCプランナー等)への取り組みなどにも期待が寄せられています。

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