(無署名記事)
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4月より中退共の利用範囲が大幅拡大へ
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適格退職年金から他の制度への移行する場合の選択肢の1つに中小企業退職
金共済(中退共)があります。中退共本部のHPによると、2005年1月末まで
の移行件数は4,880事業所となっています。確定給付企業年金を実施することが
困難な中小企業において有力な選択肢となっているのは皆さんもご存じのとお
りです。
ところで、この中退共への資産移換について、昨年の公的年金改正に盛り込
まていた移行条件の規制緩和がこの4月より実施されます。そのポイントは以
下のとおりです。
●現行では120月、つまり10年分が適年からの移行月数の上限となっていました
が、4月1日よりこの制限が撤廃されます。これにより個人ごとの持分額につ
いて全額移換できるようになります。
●掛金額と納付月数によって中退共の定める引渡金額を移換することにより、
その額に応じた月数を通算し、さかのぼって中退共に加入していたものとされ
ます。
●通算できなかった資産、つまり端数が生じた資産については従来は従業員に
分配されていましたが、4月より「残余の額」として中退共に移換し、政令で
定める率(現行1.0%)を付して退職時に支給することができるようになります。
残念ながら、すでに中退共に加入していた企業が適格退職年金から中退共へ
の資産移換を行うことはできない、という制限については変更されていません
が、今回の規制緩和により、中退共の利用範囲が拡大することは間違いありま
せん。
詳しくは中退共のHPで解説されていますので、実務に役立ててください。
4月以降用いられるパンフレットや書類等をダウンロードすることもできるよ
うになっています。
(参考)中退共HP http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/