(無署名記事)
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特別法人税凍結、3年延長へ
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去る12月15日、「平成17年度税制改正大綱」が自民党より公表されました。
全文は自民党ホームページより閲覧することができます。
(大綱) http://www.jimin.jp/jimin/saishin04/pdf/seisaku-027a.pdf
直前の報道でも断片的に報じられていたとおり、特別法人税については、2005
年3月末までであった凍結措置がさらに3年延長されることとなりました(大
綱26ページ。PDFでは28ページになる)。大綱に沿って法整備が行われ、2005
年4月より2008年3月末まで、特別法人税については適用されない、というこ
とになる予定です。
今般の税制改正では、経済界からも特別法人税の廃止に向けて積極的な働き
かけが行われました。日本商工会議所では昨年10月19日に、日本経済団体連合
会、経済同友会、関西経済連合会と共に「企業年金積立金にかかる特別法人税
の撤廃を求める」という提言を行いました。140もの経営者団体、業界団体等の
賛同を受け、積極的な働きかけを行いました。「特別法人税の撤廃を求めます」
というパンフレットも作成・配布しました。今回の凍結延長措置は、こうした
取り組みが受け入れられたものと考えています。
(提言) http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/079.pdf
しかし、今回は残念ながら「撤廃」までには至らず「凍結延長」という措置
になりました。すでに公的年金の給付水準引き下げや年金課税の強化が行われ
ている中、自助努力による運用資産の課税措置は完全に撤廃が必要なものと思
われます。また、特に確定拠出年金においては受給権や運用の自己責任などを
考えても、「退職金支払用に準備された企業の資産」というより「個人の老後
資金」という性格が強く、特別法人税を課税することはなじまないのではない
かと考えられます(個人型加入者についてもそのことが当てはまります)。
今回の大綱では特別法人税の今後のあり方について検討事項の一つとして特
記されており、今後の完全撤廃への道筋を期待させるものとなっています(大
綱44ページ。PDFでは46ページ)。確定拠出年金法が成立し施行された時点
で、すでに特別法人税は凍結されている状況でしたが、一度も適用されないま
ま、さらに凍結が延長されることになりました(最初の凍結は2001年4月から。
1回目の凍結延長が2003年4月から。それぞれ2年ずつ)。できれば、1度も
適用されないまま、3年後の再検討の時期には特別法人税の完全撤廃がなされ
ることを期待したいものです。