(無署名記事)
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「年金改正法案」衆議院を通過
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今国会で審議中の「国民年金法等の一部を改正する法律案」が将来の制度一
元化について触れた部分を修正のうえ、衆議院を通過しました。今国会で法案
が成立するかはまだ微妙なところです。成立した場合は、10月から厚生年金保
険料率の引上げが行われたり、DCをはじめ公的年金を補完する立場にある企
業年金制度の改正も進められますので、引続き法案審議の動向には注意を払っ
ておく必要があります。
(審議の最新状況は下記の衆議院HPで確認できます。
経過:
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1D941CE.htm
法案および修正内容:
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g15905030.htm)
審議の状況や法案の内容についてはさておき、これほど年金制度の問題がメ
ディアや国民の関心事として取り上げられたことは過去にありませんでした。
今回の改正では、保険料率の引上げや給付の抑制といったショッキングな改正
内容をはじめ、閣僚や国会議員の国民年金保険料未納・未加入問題等もあいま
って、国民すべての義務とされている国民年金の位置づけにまで議論が及んで
います。テレビのワイドショー番組や女性週刊誌に至る、ほとんどすべてのメ
ディアで毎日年金問題が取り上げられ、今や世間の最大の関心事であるといえ
ます。
ところで、こうした加熱報道のなか、制度の複雑さや手続きのわかりにくさ
などについて、政府・行政当局の不備が指摘される一方、単なるブームにのっ
た感情的なバッシング論や自身の無理解を棚に上げた否定論も増えているよう
に見受けられます。時折不正確な報道も目につきます。これでは国民の高い関
心が集まっても、よりよい制度を構築するための発展的な議論にうまく結びつ
いていかないでしょう。
公的年金制度は今後水準が抑制されていったとしても、老後所得の中核とな
ることに変わりはありません。実際に、公的年金制度の正確な理解なくして、
退職給付制度の再編や個人のリタイアメントプランの作成は不可能です。DC
プランナーにとっても、退職給付制度の総合的なコンサルティングを行ったり、
従業員に年金教育を行う際には、不可欠な知識です。常に、最新の情報を収集し、
正確な理解に努めていくことが大切といえます。
厚生労働省のHPには、法案だけでなく、改正案の内容や背景を詳しく説明
した「参考資料」や「制度改正のポイント」などの資料も掲載されています。
ぜひ直接資料に当たって内容を確認してみてください
( http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/kaikaku/index.html )。