(無署名記事)
DCプランナーメールマガジンにコラムを提供しています。
DC導入・維持にはいくらかかるか?
─────────────────────────────────
3月26日に厚生労働省において「確定拠出年金連絡会議(第9回)」が開催
されました。その中で、(社)生活福祉研究機構による「企業型確定拠出年金
実態アンケート調査結果」が公表されました。DC導入企業151社から回答を受
けた同アンケート調査には現状および今後の課題の理解に関する重要な示唆が
多々含まれるものでした。
調査の中で注目できるもののひとつとして、DCの導入・維持にかかるコス
トについて全体の平均ながらその水準が明らかになったことがあげられます。
DCの導入にあたっては、移行対象となる他の退職給付制度や人事制度との
兼ね合いを考えるコンサルティングが欠かせないほか、導入時には従業員教育
や口座開設等の費用が発生します。また、DCの運営・維持においては、各従
業員ごとの個人口座を管理・維持し、継続教育を図っていくための費用がかか
ります。同調査における具体的な水準は以下のとおりになりました(従業員
1人あたりにかかる費用)。
<費用項目> <初期費用> <維持管理費用(月額)>
・運用関連業務 2786円 240円
・記録関連業務 1188円 276円
・資産管理業務 450円 119円
・投資教育 2484円 54円
例えば、従業員数1000名の企業であれば、導入時に690.8万円の費用がか
かり、毎月68.9万円の維持費用がかかるのが平均的なDCにかかる費用の水準、
というわけです。
実際には、DC導入1件あたり(1社あたり)で発生する費用と、従業員1
人当りで生じる費用に分けて費用の設定がされており、運営管理機関各社ごと
にその設定額や割合は異なります。つまり、同じ従業員数の企業でも、委託す
る運営管理機関によって、初期費用や維持管理費用は異なるというわけです。
(社)生活福祉研究機構の分析によると、従業員規模別にみたとき、規模の大
きい企業ほど手数料が低くなる傾向があったとのことです。
DCを採用する事業主は、サービスの質と費用のバランスがとれた運営管理
機関を加入者の立場から選択しなければなりません。現在も運営管理機関各社
の間では激しい価格競争とサービス競争が行われています。DCプランナーは
最新の情報を入手しながら的確なアドバイスをしてくことが大切です。
当日の資料は厚生労働省ホームページ内の研究会等の報告ページ(下記アド
レス参照)に掲載されています。他の調査項目についてもぜひDCプランナー
の皆さんのその目で確認してみてください。
アドレス: http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/03/s0326-3.html