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[メルマガ] 確定拠出年金制度導入から1年。

(無署名記事)
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■確定拠出年金制度導入から1年。
 導入企業は174社。じわり高まる理解と関心。
 2001年10月1日の確定拠出年金法施行から1年が経過しました。厚生
労働省の資料によれば、導入企業は174社(グループ)となりました。また、
厚生労働省が10月3日に開催した確定拠出年金連絡会議で公開した資料によ
れば、企業型の加入者数合計は18万6,000人(8月末)とのことです。
 厚生労働省は、この結果をひとまず順調な滑り出しと見ているようです。今
後も導入企業が見込まれることも視野にあると思われます。実際、適格年金導
入企業7.4万社、加入者数915万人という予備軍のうち、多くは確定拠出
年金を導入することになるのは間違いありません。
 この1年を振り返ってみると、昨年10月のスタート前後と、最近の報道の
温度差には著しいものがあります。施行当初は「日本版401kで会社員の老
後が激変する!」というイメージが先行した感がありました。しかし、10月
1日には金融機関各社のCMや広告もなく拍子抜けした人も多かったのではな
いでしょうか。
 実際に10月1日に始まったのは、運営管理機関の登録からでした。運営管
理機関の登録承認を受け、すかいらーくや日立製作所といった企業型導入の第
1号グループが規約承認の申請を提出したのは11月中旬頃。企業型規約が承
認されたのは12月11日のことでした。そして、初めての掛金が確定拠出年
金に拠出されたのは2002年に入ってからでした。
 個人型確定拠出年金についても同様で、個人型確定拠出年金規約の承認と、
運営管理機関の登録、事務委託等体制の整備に時間を要し、なんとか加入申し
込みの受け付けを開始したのは2002年1月4日のことで、そのとき対応で
きたのはわずか15社にすぎませんでした。
 こうした静かな出足を受け、最近の確定拠出年金の報道の多くは、導入企業
の紹介や運営管理機関の取り組みを伝えるものが多いようです。また、低調な
導入推移を伝えるものも多いように見受けられます。
 ところが、運営管理機関の導入の現場や企業の意識は異なるようです。
 多くの運営管理機関は、新規案件の獲得と既に導入サポートをしている企業
のケアを熱心に行っています。特に、単なる確定拠出年金のセールスにとどま
らず、企業の立場にたった総合的な退職給付制度の再構築コンサルティングの
視点からアプローチするようになっているようです。
 また、企業の内部においても、確定拠出年金の導入事例が積み重なったこと
で、これを整理・把握し、自社の再構築に活かそうという関心の高まりが見え
始めています。
 先日、報道にもありましたが、日本経済新聞社と格付投資情報センター(R
&I)が行った「日経企業年金実態調査」では、今後採用したいと考える退職
給付制度の1位として企業型の確定拠出年金があげられていました(54.5
%/複数回答可)。これは確定給付企業年金(規約型)の41.0%、前払い
退職金制度の20.2%を大きく上回っています。
 本メールマガジンの発行・企画・編集元の商工会議所年金教育センターや日
本商工会議所、東京商工会議所、(社)金融財政事情研究会が11月12、1
3日に開催する「商工会議所年金フォーラム In Tokyo」には、DC
プランナーだけではなく企業の担当者が数多く参加する見込みです。事務局に
は熱心な問い合わせが多数寄せられており、企業の情報収集への関心の高さが
伺えます。
 確定拠出年金に対する理解や関心は、導入1年を経てじわりと高まりつつあ
るようです。

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