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[メルマガ]  DC資産運用とライブドアショック

(無署名記事)
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 DC資産運用とライブドアショック
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 1月に世間を驚かせたライブドアショックは、単に一企業の事件にとどまら
ず、企業と投資家、市場のルール全体をめぐる問題として、メディアに大きく
取り上げられています。こうした報道と重なるように、株式市場もここ半年の
急激な株価上昇への調整と相まって、乱高下する展開となっています。DCの
加入者には投資経験が浅い方も多いため、こうした局面での狼狽が懸念されま
す。
 しかし、本来DCにおける資産運用は、こうした単一銘柄の急な値動きや短
期の市場動向にあまり影響を受けないことが望ましいといえます。今回、株価
が下落した際にあわてて売買やスイッチングを繰り返してしまった加入者には、
長期的な視点のもとで運用方針を再認識してもらう必要があるでしょう。一方、
今年まだ一度も運用状況を確認していないような無関心な加入者にも、市場が
大きく変動したときや金利動向等が変化する局面では、適度な関心を持って冷
静に自身の資産運用を見直すよう促す必要があります。
 一般に、DCの運用商品には投資信託が数多くラインナップされてています
が、この投資信託は銘柄分散によって、ある程度リスクを軽減するように運用
されています。例えば、アクティブ型といわれる、独自の運用方針をもって積
極的に上昇をねらうタイプでも、単一銘柄への投資比率は高いもので10%程
度ですから、単純に個別銘柄に投資するより、その影響は小さくなりま
す。また、DCが基本的に60歳まで資産の引出しができない制度であるため、
マーケットの一時的な上下に一喜一憂するよりも、投資信託等の特性をよく理
解して、長期的な収益機会を狙い、資産全体のアセットアロケーション(資産
分散)を検討するほうが、より有益であると思われます。
 今年の株式市場は、昨年のように一本調子の上昇を期待することはおそらく
難しいでしょう。こうしたタイミングでの継続教育を実施する企業や運営管理
機関には、加入者のリスク資産への知識を高めつつ、投機的にならない舵取り
が求められます。

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