[メルマガ]  確定拠出年金の拠出限度額の引上げが実現か?

By in ホームページ・メルマガ on 2003年12月15日

(無署名記事)
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 確定拠出年金の拠出限度額の引上げが実現か?
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 11月17日、厚生労働省より公的年金改正案が示されました。新聞等でも報道
されていますし、厚生労働省のHPでは即日PDFで資料公開が行われていま
す。未読の方は下記アドレスで参照することをおすすめします。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/11/h1117-1.html
 公的年金の改正動向の把握はDCプランナーにも欠かせないところですが、
今回の厚生労働省案には企業年金制度の改正案も示されている点が特に注目さ
れます。保険料の引き上げに歯止めをかけるには、公的年金の給付水準の抑制
が欠かせませんが、そうなると国民の自助努力の老後資金形成を支援する施策
も不可欠です。企業年金関連の改正案はそうした役割も担っているといえます。
 今回の企業年金関連の改正案としては大きく3つが掲げられています。
(1)厚生年金基金の免除保険料率の凍結解除、厚生年金基金解散時の特例措
   置
(2)確定給付企業年金制度等の給付建て制度のポータビリティの確保
(3)確定拠出年金の拠出限度額引上げ等(税制改正要望)
 特に注目したいのは(2)と(3)でしょう。
(2)については、〔a〕厚生年金基金と確定給付企業年金、確定給付企業年
金と厚生年金基金連合会の間における資産の相互移動を認めポータビリティの
一層の拡充を図るとともに、〔b〕厚生年金基金・厚生年金基金連合会・確定
給付企業年金から確定拠出年金への資産の移動を認める案が示されています。
特に後者はDBからDCという資産移換の可能性を示したという点で国民の老
後資金形成の選択肢を大きく変化させることも考えられます。今後の議論の進
展に注目したいところです。
(3)の確定拠出年金に関する部分としては、〔a〕拠出限度額の引上げと、
〔b〕中途脱退時の要件緩和、が示されています。
〔a〕については拠出限度額の上限(月額)を下記のように引き上げることが
盛り込まれています。
 (企業型)他の企業年金がない場合 3.6万円→6.6万円
      他の企業年金がある場合 1.8万円→3.3万円
 (個人型)企業年金がない場合   1.5万円→6.6万円
      自営業者等(現状維持) 6.8万円→6.8万円
 企業型DCについてはいずれも2倍弱、個人型DCの2号加入者については
4倍以上の拠出限度額の引上げになり、それぞれ活用の幅が大きく広がるとと
もに他の退職給付制度との併用の選択肢も大きく変化することが考えられます。
〔b〕中途脱退時の要件緩和については、〈b1〉現状では拠出期間3年以下
であってDCに加入しえなくなった場合にのみ認められる脱退一時金の受給条
件を緩和するため「50万円以下」という金額の要件を加えることと、〈b2〉
1.5万円以下という極めて少額の資産の場合、移換手数料などにより資産がほと
んど失われることに配慮し、企業型から個人型DCへ移行することなく脱退が
認められるようにする、という2つがあげられています。
 報道によれば自民党税調は、拠出限度額の引上げについて税制改正大綱に盛
り込む方向だと言われています。早ければこのメルマガの発行直後にも示され
る予定です。報道に注目するとともに、税制改正大綱を軸に財務省の最終的な
判断がどのように示されるかも今後の推移に着目したいところです。

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